９０００　Ｖ６エンジン．タイミングベルト　トラブル

Ｖ６エンジン搭載のグリフィンですが、走行中に突然、エンジンが止まり調べたところ、タイミングベルトのローラーが焼き付いた為、ベルトの山がずれてシリンダーヘッドのバルブがピストンと干渉（当たる）してバルブが曲がり、大作業となりました。
サーブの４気筒モデルはシリンダーヘッドのバルブメカニズム駆動がチェーンですが、Ｖ６モデルはコックドベルト（歯付きベルト）で駆動しており、ベルトはゴム製のため劣化やその他の原因で破損するとエンジンに大きなダメージを与えます。タイミングベルトを使用している車はサーブに限らず定期的な点検、交換が必要です。

＊お詫び＊
作業工程の一部始終をデジカメで記録してあったのですが、スマートメディアの脱着時に静電気で内容が全て消えてしまいました。（スマートメディア自体も使用不能）
ＰＣに取り込んであった画像のみですので解りづらく、概略での紹介ですが、タイミングベルトの重要性は解って頂けると思います。

	トラブルの原因になったプーリーです。矢印部分．プーリーのベアリングが完全に焼き付いて、ボールが飛びだしていました。通常はグリスが封入されて、プラスティックのカバーがついており、ボールは見えません。Ｖ６ＤＯＨＣですので前後バンクのシリンダーヘッドのカムシャフトをタイミングベルトを駆動させますが、長いベルトにたわみがでないように数個のプーリーやテンショナーで張りを一定に保ちます。破損したプーリーは前後バンクの間のタイミングベルトがＵの字の谷間になった部分にあり、負担が大きいのかもしれません。カムシャフトやクランクのプーリーは正確なバルブタイミングのために歯が刻んであります。オルターネーターやエアコンを駆動する一般的なＶベルト等とは重要性が全く違います。
	プーリーが焼き付いたために破損したタイミングベルト。１０ｃｍ以上ベルトの山が無くなっています。エンジンのピストンの動きと吸気、排気バルブの動きが正しく同期しなくなり、瞬時に完全に切れたのであれば開いていたバルブはそのまま動かなくなりますがこの状態ではバルブタイミング大幅にずれたまま、バルブは作動し、、クランクシャフトは走行時であれば回り続けようとするため、上昇したピストンが開いているバルブに次々と当たっていきます。その結果吸気、排気バルブは曲がってしまいます。
	このシリンダーヘッドは前側バンク（２．４．６）ですが吸気バルブが全て曲がっています。ここまで曲がるとバルブが閉まらなくなります。吸気バルブが１０本、排気バルブが４本曲がっていました。吸気バルブは排気バルブと較べるとバルブの傘径も大きく、リフト量（燃焼室へ突き出る量）も大きいので破損する本数も多くなります。今回のケースでは前側バンクの損傷がひどく、吸気バルブ側のバルブガイドも割れていました。曲がったバルブの交換とそれに合わせてバルブシート廻りの修正をするわけですが、シリンダーヘッドに圧入されているバルブガイド（６本）が割れてしまっているので交換しなければいけないのが、部品として設定されてなく、内燃機屋さんで特注で製作してもらいました。バルブガイドはシリンダーヘッドＡｓｓｙ内ではパーツ設定されているが個別部品としては取れないというへんちくりんな事になっていました。通常、他の車種では部品として供給されるのが普通なんですが。
	前側バンクシリンダーヘッドを外した状態のエンジンです。

見事に曲がった状態がわかるバルブの画像や他にもタイミングベルトの調整方法等画像があればもっと詳しく紹介できたのですが、最初のお詫びにもあるように一部分のみになってしまいました。

	トラブルの原因になったプーリーです。矢印部分．プーリーのベアリングが完全に焼き付いて、ボールが飛びだしていました。通常はグリスが封入されて、プラスティックのカバーがついており、ボールは見えません。Ｖ６ＤＯＨＣですので前後バンクのシリンダーヘッドのカムシャフトをタイミングベルトを駆動させますが、長いベルトにたわみがでないように数個のプーリーやテンショナーで張りを一定に保ちます。破損したプーリーは前後バンクの間のタイミングベルトがＵの字の谷間になった部分にあり、負担が大きいのかもしれません。カムシャフトやクランクのプーリーは正確なバルブタイミングのために歯が刻んであります。オルターネーターやエアコンを駆動する一般的なＶベルト等とは重要性が全く違います。
	プーリーが焼き付いたために破損したタイミングベルト。１０ｃｍ以上ベルトの山が無くなっています。エンジンのピストンの動きと吸気、排気バルブの動きが正しく同期しなくなり、瞬時に完全に切れたのであれば開いていたバルブはそのまま動かなくなりますがこの状態ではバルブタイミング大幅にずれたまま、バルブは作動し、、クランクシャフトは走行時であれば回り続けようとするため、上昇したピストンが開いているバルブに次々と当たっていきます。その結果吸気、排気バルブは曲がってしまいます。
	このシリンダーヘッドは前側バンク（２．４．６）ですが吸気バルブが全て曲がっています。ここまで曲がるとバルブが閉まらなくなります。吸気バルブが１０本、排気バルブが４本曲がっていました。吸気バルブは排気バルブと較べるとバルブの傘径も大きく、リフト量（燃焼室へ突き出る量）も大きいので破損する本数も多くなります。今回のケースでは前側バンクの損傷がひどく、吸気バルブ側のバルブガイドも割れていました。曲がったバルブの交換とそれに合わせてバルブシート廻りの修正をするわけですが、シリンダーヘッドに圧入されているバルブガイド（６本）が割れてしまっているので交換しなければいけないのが、部品として設定されてなく、内燃機屋さんで特注で製作してもらいました。バルブガイドはシリンダーヘッドＡｓｓｙ内ではパーツ設定されているが個別部品としては取れないというへんちくりんな事になっていました。通常、他の車種では部品として供給されるのが普通なんですが。
	前側バンクシリンダーヘッドを外した状態のエンジンです。