４． トランスミッション
４−１ オートマチックミッションオイル（ＡＴＦ タイプＧ） 
９００でオートマチックミッションに一番気をつけることは正しいＡＴＦを使用することが大切であるといえます。
どんなに運転に気を使っても、オイル漏れを直しても正しいオイルが入っていなければなにもなりません。
どうも現在一般に普及しているデキシロンタイプが入っている車が多いように思います。 レベルゲージのタグに明記してあるのですが、サービスをする人の知識不足かもしれませんがミッションの寿命に関わることだけに気をつけたいものです。
では、何故タイプＧが指定されている９００にデキシロンを入れるといけないのか、はっきりした理由を説明します。
これはデキシロンとタイプＧの特性の違いをグラフであらわしたものです。
これだけでも一目でまったく正反対の特性のオイルであることがわかるはずです。
次に紹介する文章は平成８年度版検査主任者研修資料のオートマチックミッションの基礎から抜粋したもので、上のグラフは少し手を加えたものです。
ＡＴＦの種類と相違点
ＡＴＦには大きく分類して、滑り速度が低い範囲で摩擦係数が小さいＧＭタイプと摩擦係数が大きいＦＯＲＤタイプとがあり、両者を比較した場合、粘度特性、低温流動性、熱安定性、消泡性、耐腐食性、などの諸性能は、ほぼ同等であるが、摩擦特性が異なるためＡＴＦの選定を誤ると、クラッチの滑りや、変速時のショックが大きくなったりするので注意を要する。
最近のオートマチック．トランスミッション車には、燃費をよくするため、高速域でロックアップ機構を設けたり、更に低速域では一部滑りをもたせたロックアップ機構（フレックス．ロック）をもうけていることから、ＡＴＦは、ＧＭタイプの採用が多くなっている。
また、寿命を増大させるために、ＡＴＦには種々の添加剤が用いられている。
ＡＴＦの選定に当たっては、前述した摩擦係数などは表示されていないので、性能維持のためには、指定されたＡＴＦを使用することが大切である。
以上資料より抜粋
実際のところ一昔前までは主流であったタイプＧに対する現在の認識は低く、サービスの経験にもよりますがタイプＧと聞いても何の事かさっぱりわからないとか、デキシロンでいいんですよ、とかいうところではＡＴＦの交換は避けたほうが賢明だと思います。
部品
Ｐａｒｔｓ．Ｎｏ ３１５ １６１ １０９ ＡＴＦ ９００−９３ｙ、９００ Ｃｏｎｖｅｒｔｉｂｌｅ−９４ １本 １，６００円
ヤナセさんが現在部品の販売もやっておられるので以前よりも入手しやすくなっているはずです。
一昔前はほとんどこのオイルだったので（国産車も）他メーカーでも純正品で捜せばあるかもしれません。
オイルメーカーとなると当社も一時調べましたが（商売ですので仕切値は安いほうが良い）、全くなくバルボリンではメーカーでは出しているが、日本には入れてなく（ほとんどのオイルメーカーはそうでしょう。）１００ケース単位の注文なら入荷するということで、値段も純正品よりも高かったです。聞いた話では東京のある自動車屋さんではバルボリンのタイプＧを使っているみたいです。